机上の空想 -on the armchair-

エロゲを中心に(広義の)ビジュアルノベルに関するレビューやエッセイを主な活動にしてるつもりのブログです。6月24日より旧ドメインから正式移行しました。

2010年05月

サクラノ詩の断片を拾い集める雑記

(4日、ちょっとだけ追記)
ドリパ、行って来ました。
色々と収穫はあったのですが、個人的にはケロQのブースで行われていたトークライブがなかなか面白かったです。

ブースを遠巻きに見ていると、なんかやたらカッコいいオッサンがつらつらとスタッフの学力やら昨今のアジア情勢やらを話していて、それを聴きに人が囲っている。そのオッサンこそ、ケロQの代表兼シナリオ兼原画であるSCA自氏でした。

初めは世間話のようなものが延々と繰り広げられていて、正直ケロQばかりを見ているわけにもいかないのでほとんど話を聴いていないんですが。抽選会の30分ほど前、「『素晴らしき日々』について、『終ノ空』と比べて『完成した!』という実感はありましたか?」というファンの質問を皮切りに、なかなか面白いことを語っていてくれたので備忘録としてメモを残しておきます。
記憶を頼りに文を起こしているので、ニュアンスの違い等もあるでしょうがご了承ください。



<「素晴らしき日々」について>
・「終ノ空」は初めての作品だったし、やはり「終ノ空」の方が達成感はあった。
・自分がもし金持ちだったら、作品を作った後発表はしなかっただろう。
・没ENDの設定に「音無彩名が実は卓司の祖母である」というものがあって、そうするとシナリオ的にも非常に綺麗にまとまるのだけれど、「終ノ空」に対応した作品であることを鑑みて、結局現在のEDの形にした。
(※台鼎は素晴らしき日々未プレイなので、見当違いなことを書いてるかも知れません。すいません)
・「幸福に生きよ」とは言うものの、ウィトゲンシュタインの著書と同じく、作中では「幸福に生きるとは何か」ということについては言及できていない。
(※うろ覚えですが確か、素晴らしき日々は評価されているけどこの作品は決して完成したものじゃない、というような文脈だったかと)

<「サクラノ詩」について>
・少なくともサクラノ詩を出すまでは、会社を続けて行きたい。
・遅延の理由は、テキストのシェイプアップ。プロットは出来ているのだが、テキスト量が6Mの予定になってしまった(いわく、素晴らしき日々の倍)。こんな長い文章を読むのは辛いだろうから、3M強になるまで切り詰めようとしている。そこが出来たら、自分なら10ヶ月程度で書き上げることが出来そう。
・「サクラノ詩」で描かれるのは、自己の物語であった「素晴らしき日々」では描かれなかったもの――即ち他者である。独我論的である(そのことについては諸説あるけど)ウィトゲンシュタインですらも他人の目を非常に気にしていたように、やはり自分たちの人生は他者というものなしには語れない。

<その他>
・ほめられるのもけなされるのも苦手なのでネットでのレビュー等は見ない。
・麻枝氏についての私見。「氏の作品自体にはあまり共感できないが、それを書いている氏の姿勢には非常に共感できる(共感と言うと偉そうなので好きというべきかも、とも)」。氏の物語はいつも切羽詰っていて、それが自分にも通ずるのだとか。



などなど。話を聴いてみると、サクラノ詩の延期はなるべくしてなったのかなぁと思ったり。
思い出したらまた追記してみます。
どうでもいですが、素晴らしき日々の話の途中でCROSS†CHANNELのネタバレを若干食らって少し涙目でしたw



さて、明日はコミティア~。Humanityはサントラも発売するようなので更に楽しみです。
ああ、足痛い、金ない(泣)。

では、以上で。

Humanity 一本道エディション

今回紹介するのは、同人サークル・non colorの新作「Humanity」の体験版です。
体験版紹介は2年ぶりっすね…。



近未来のお話。便利な世の中になって、人類は働かなくなった。それではどうしようもないから、代わりに亜人という存在を作り出して働いてもらうことにした。
高野与一は、そうやって生まれてきた亜人の一人。人間たちが都合よく使うため、感情の起伏がなく能力も平均的になるよう作られているはずの亜人。その中にあって、与一とその友人たちは非常に感情豊かな「出来損ない」であった。
そんな彼らが、人間の通う学校に転校することになって……。

こんなあらすじで始まる今作。ここから亜人と人間の軋轢を軸に、我々の倫理観を揺さぶる物語が――とプレイ直前には思っていました。
しかし、しかし。始まったのは息もつかせぬギャグの嵐。どんな場面だろうが主人公たちはボケるのをやめません。感情の起伏の少ない亜人の中ではおろか、人間を含めても大分テンションの高い部類に入ってしまう彼らの馬鹿馬鹿しいやりとりに抱腹絶倒です(本人がおっしゃっていたように、その内容は「間口が広い」…つまりパロネタが少なく、個人的には好印象です)。
とかく、読んでいて「こんなにギャグばっかりやっていては話が進まないのでは?」と不安に駆られるほどの密度のコメディが繰り広げられます。

そして実際、この体験版では(感情的な意味で)ミスフラットの異名をとる亜人・鷺洲というキャラのルートが丸々入っているのですが、他のゲームでいう展開らしい展開はあまりありません。
しかしEDに到達してみると、確かに彼らの関係も人間性も前進していて、それがあまりに自然でした。それは『「人間性」というのは、何も特別じゃない馬鹿馬鹿しい日常に根付いている』、という昨今のシナリオゲーへのアンチテーゼにも捉えられて。うむ、深い(深読みかも知れませんが)。
現段階では設定がまだまだ活かされてないことと、会話の端々から読み取れる亜人と人間の関係性の問題を鑑みると、これからシリアスに向かう可能性も十分ありますが、それはそれで一興。ここまでひたすらコメディ要素を推してきましたが、(あっという間にギャグに流されて長続きしないのですが)シリアスな場面も面白そうと思うほどには散りばめられていたので、どう転ぶにしても期待期待!

あと主題歌スキーとしては、EDと予告で流れたボーカル曲が非常に気になります。しかもそれぞれ違う曲という…。情報が全く出てないのですが、本編やったら流石にわかりますよね? どちらもアコースティクな感じで爽やかないい曲です。
それだけでなく、ライターのはと氏が同時に手がけるBGMはなかなかに良い曲が多かったです。特にベロニカのテーマは、展開が面白くてうっかりフルで聞き入ってしまいました。



5月1日配信のはとらじ(ライターの方がネトラジをやってます)では、もうコミティアで発売できるのが確定しているらしいので、楽しみです。
その際にはこのサークルの過去作も手に入れてみたいと思います。

それでは、以上で。
プレイ本数が同人>>商業なこじらせ系引退気味エロゲーマー。同人ゲーム「MYTH」のファンサークル「MYTH研」の代表として同人誌作ったりもしました。
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