机上の空想 -on the armchair-

エロゲを中心に(広義の)ビジュアルノベルに関するレビューやエッセイを主な活動にしてるつもりのブログです。6月24日より旧ドメインから正式移行しました。

2008年10月

9月をとばして10月に書く雑記

 お久しぶりです。ようやく「書くかも」と言ったフリゲの紹介が書けました。
 最後の更新が夏コミより前。よく広告が表示されなかったなぁ。
 いやまぁ、9月は松葉杖やら締め切り前のデスマやら色々ありました……(遠い目)。

 MYTHはとりあえず1周だけしました。いや、現行体験版の範囲は5周、最終体験版の範囲は3周、中途版の範囲は2周、事前にしてますが。
 流石にそんなんでレビューを書ける作品ではなかったので、ちゃんとした紹介は2周目ができるようになる春まで持越しです。
 まあ少ない読み込みで考えたことはというと、「あの神話」をモチーフにしたことにここまで意味がある作品はそうそうないだろうということ。ただ響きやイメージで好まれがちなこの題材の核心を突いて、これ以上なく上手く作品のテーマに仕立て上げてるのではないかと。最初実は、「MYTH」とはなんとも安易なネーミングだなぁなどと思っていたわけですが、これ以上ない然るべきタイトル、かつその重みに相応しい大作だったと今では思わざるをえません。
 ああ、早く紹介が書きたい。というか2周目がやりたい。



 そして話は変わり。
 桜井光氏の最新作「漆黒のシャルノス」(LiarSoft)のムービーがやたらカッコいい件。

 ぶるよぐもライアー相手(桜井シナリオかもしれませんが)には色々とできるようで。いきなり3/4の拍子で入り、サビの前でこれ見よがしにテンポを変えて、転調は……自分はよく分かりませんが。さらにアコーディオンでアイリッシュテイストに。相当癖のある曲。
 そこにサブリミナル効果を起こしそうなぐらい目まぐるしく明滅する言葉と絵。恐らくゲーム画面を利用したであろうアニメーションもかなり疾走感を演出し。さらにそこに「黄金瞳」やら「唯一生き残ったおとぎ話」なんていうインガノックとつながりそうなキーワードを散りばめられた日にゃあ楽しみにせざるを得ませんです。

 んなわけで早速、ユーザー参加型企画に応募してきました。漆黒のシャルノスのサポーターとしてスタッフロールに名前が載ります。問題なければ。こういうときの為に作ったブログですので精一杯利用。
 サポーターというからには最低限この作品について記事を書かねばならんと思いますので、少ない更新を発売まではそいつに費やしてみようと思います。ゲーム紹介を楽しみにされてらっしゃる方には申し訳ないですが。一応「漆黒のシャルノス」の紹介ということで。
 といいつつも、発売直後のプレイは絶望的。春先まで積んでしまうかと。ブログの更新でさえこんな体たらくなので。体験版は……どうしようかなぁ……。やってしまおうか……。
 

 あと、応援バナーを整理したので一応ここで報告しておきます。

 あんまり長々と書くのもあれなんでこれにて。

フリーノベルゲーム(エロゲとは限りませんが)

 今回は、フリー頒布のノベルゲームからオススメのものを紹介します(基本的には◎評価のもの)。TRUE REMEMBRANCEの2作とナルキは書けそうになかったので、またいつかきっと(とはいいつつ今更自分が紹介するのも気が引けるところもありますね……)。AguniはMYTHの外伝的作品なのでここでは割愛。
 4作紹介するうち、上の2作は18禁です。ここを読んでる方に多分いないとは思いますが18歳未満の方は注意してください。



18禁
☆悪魔の迷宮(きつねみみ饅頭

 しおんが目覚めると、そこは暗くてじめじめした石の部屋。確かに昨日は、ふかふかのベッドで眠ったはずなのに――。気づけば、服も着ていない。扉を開けても、そこにはただ闇が続くだけ。
「お母さんに会いたい」。この闇から抜け出すための、しおんの孤独な戦いが始まった。

 「少女凌辱ノベル」と紹介されるこの作品。単にすごくエロいからなどという理由で高評価しているわけでないのは、公式のページを見て貰えれば分かるのではと思います。では、一体何か。それは、恐怖演出を含む卓越した世界観です。とはいっても、ホラーとして素晴らしいということを語りたいわけではありません。
 暗い画面、ジトジトした空気を伝えるテキスト、少女を壊さんと忍び寄る化け物……と、まあ真剣にプレイすればこれだけでも十分に怖いはずですが、「少女凌辱ノベル」とあれば話は別。少女が襲われるのは一種の予定調和であり、むしろ歓迎される状況。恐怖には直結しません。しかし、そんなプレイヤー心理の上を行くものが、プレイを続けるにしたがって見えてきます。それは、少女に立ち塞がる闇のように広がる世界と、欲望も絶望も希望も全て手玉に取る「悪魔」。自分はあっけなく、世界に圧倒され悪魔に弄ばれました。その恐怖は如何ばかりか……。また、上手いとはとても言えない絵・整備されてないシステムがそれを見事に助長します。「ひぐらし」「MYTH(最終体験版)」と並び、自分に「あまり整っていない方が恐怖をかきたてる」と実感させてくれた作品ですね。
怪作と呼ぶに相応しく、このサークルのこれからが楽しみです。
 プレイするときは、BadEndを全てその場で回収しながら進むことをオススメします。また、グロ・ゲテモノ注意の作品なので耐性のない方はやらないように……。


☆two(クレナイブック

 あらすじといえるあらすじはないですね。設定があるにはありますが、紹介すると盛大なネタバレなもので。一人のヒロインとイチャイチャするゲームです。コマンド選択式なので手間はかかりますが短いお話です。
 自分が評価するのは、この作品が短いながらに男女の「愛」というもののメタファー(比喩)であること強く感じたからです。"強い絆"として尊ばれもてはやされ「美しいもの」とされながら、一方で"性欲の延長"としてタブーとされ蔑まれ「醜いもの」であるという面を孕んでいる。また、美しいものという体裁をとれなくなった「愛」は、醜いものとしての末路を迎えるのみ。その矛盾のようなものを一つのシンボルを設定することで表現してのけた作者の発想に素直に感心しました。
 クレナイブックの秋氏の作品には独特の作品が多いらしいので、いつかやってみたいと思います(papillonとpulseを一部だけやったことはありますが)。


非18禁
☆悪の教科書(さんだーぼると

 社会にはびこる悪、虐げられる人々。いくら憤れど、対する牙を持たない少年たち。
 そんな彼らに今日も、「先生」は"本当の悪"を教えていく。

 第一話の展開といい、某宗教団体を分かりやすく批判している件といい、フリーかつ同人という形式だからこそできたであろうなかなか過激な作品。ですが、単に過激な展開が好きなだけの方は体験版で満足しておきましょう。何故なら、この作品は「社会批判ノベル」だからです。
 作者の狙いは過激な描写そのものではなく、プレイヤーを刺激して自分たちを取り巻く問題に意識を向けさせること。やりすぎと思える部分はこの作品において導入に過ぎません。登場人物や物語、作者の主張さえも、この作品が社会批判ノベルという形をとるためのただの枠組みです。作品が描くのは、自分たちが「知っている」こと、自分たちが「知ることができる」ことのみ。作者は「悪の教科書」を鵜呑みにすることさえも否定して、投げかけます。「貴方はどう考え、行動しますか」と。
 この作品に対しては、「どれだけ良く批評されたか」ではなく「どれだけ多く批評されたか」こそがその価値を表していることでしょう。この作品で何か考えさせられたのなら、それが既に作者の狙い通りなのですから。


☆ななつのユメをみる(みつやしき

 7年前の震災以来、PSI(サイ)と呼ばれる超能力者が多発するようになった垣根花市。
 7年来離れていたこの街に帰ってきた智也は、予知ができるという少女・こよりに引き合わせられる。彼女には人の死が見え、自らも「乱暴されて、殺されるみたい」と語るのだが……。

 2006年~2007年にかけて、全7話が連載された作品。自分は確か4話?ぐらいの頃から読んでいましたか。
 大して整った絵でもなく、テキストも時折基本的なことさえできてないところがあったり、設定にもちょっと不自然(というか不調和というか)な部分が見られるなど、決して完成された作品ではありません。また、自分が苦手な「不幸の羅列」のような一面もあって、途中まではあまり良い印象を持てませんでした。
 しかしそれは、「せかいかんそく」へ至ることで一変することに。それはこの作品の、「直向きさ」に気付けたからです。
 主人公である子供たち。恋愛とか友情とかそういう言葉を抜きに、「大好きな人と一緒にいたい」「大好きな人に幸せになってほしい」と、不器用に純粋に願い続ける彼らのその想いが、未来と過去を真直ぐにつなぎます。そしてその光景が、「作者がこれを描きたかったからあの物語があったのか」と、序盤に抱いた不信感を見事氷解させてくれました(伏線を回収したといえばそれまでかもしれませんが)。また、そこに大人という壁や隠された謎を散りばめられたことで生まれた、簡単には真実に届かせないシビアさが、それを乗り越えた直向きさの強さの裏打となっています。
 現段階ではまだ第1章であるこの作品は、切ない余韻を残して結ばれます。これから、語られなかった真実や可能性がどう展開されるのか楽しみです。
 この作品のレビューはあまり見かけませんね。グーグル先生で自分のリストが10番くらいにくる程。埋もれていると表現するのがピッタリな感じ。この紹介でちょっとでも知名度が上がってくれればなぁ。



 いずれも洗練されてはないとは思いますが、どれもそれぞれ個性的で面白い作品です。
 フリーですので、ちょっとでも興味が湧いたらレッツプレイ!

 では、以上で。
プレイ本数が同人>>商業なこじらせ系エロゲーマー。
ご案内と注意
エロゲ感想の多くは雑感という形で雑記(+簡易感想)に紛れてます。

プレイ済リストや、下の検索欄からご参照ください。

批評空間のarmchairと同じ人です。

好んでいる作品の傾向を見ていただくだけなら、そちらの得点表を見ていただくのが速いかもしれません。

また、同人ゲームの感想をお探しの方は、批評空間でも同じような感想を述べてることがありますので特にご留意ください。


メッセージ

名前
メール
本文
記事検索
コメント
バナー(笑)
こんなんでも使って頂ければ。
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

応援中!
お気に入り